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老人ホームの見学、5ヶ所回って私が見ていたもの

兼六園の根上がり松と桜の写真に「見学5ヶ所で見たもの」の文字 施設選び・施設での暮らし

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父の特養を探したとき、5ヶ所に電話して、5ヶ所とも見学に行った。

行く前に「見学で何を聞けばいいのか」を調べた。質問リストがいくつも出てきて、印刷して持っていこうかと思った。

でも実際に行くと、私から聞いたことはほとんどなかった。

要介護4の父を、2年の在宅介護のあとに特養へ入れた。知的障害のある弟と二人で父を見ていた。施設を探し始めたのは2025年の秋。

見学した5ヶ所は、こうやって選んだ

1ヶ所はケアマネさん、あとは自分でネットで探した

5ヶ所のうち1ヶ所は、ケアマネさんが探してくれた。

残りの4ヶ所は自分で探した。ネットで、私の家に近いところを順番に見ていって、1ヶ所ずつ電話をかけた。

ケアマネさんに全部お願いできると思っていたけれど、私が入れたかったのは自分の家の近くの施設で、ケアマネさんの管轄とは地域が違った。だから自分で動くことになった。このあたりの経緯はショートステイから特養へ入居した記録に書いている。

条件は「家から近い」と「ユニット型個室」だけ

候補に入れるかどうかの線引きは、二つ。

一つは、私の家から近いこと。父の家からではなく、私の家から。家からすぐ行けるかどうかが重要だった。

もう一つは、ユニット型個室であること。10人前後のグループで暮らす形の、個室のタイプ。ここにはこだわった。

費用は、条件に入れられなかった。どの施設がいくらなのか、探している時点では分からなかったから。金額を知ったのは、見学に行ってパンフレットを見せてもらってから。実際に毎月かかっている額は特養の費用の内訳に書いた。

口コミは見た。でも書いているのは入居した本人じゃない

多かったのは「ご飯のあとすぐ自室に戻る」「職員が冷たい」

候補を絞るとき、ネットの口コミも読んだ。

いちばん多く目についたのが、この二つ。ご飯を食べたらすぐ自分の部屋に戻って、そこから出てこない。職員さんが冷たい感じがした。

読んだときは、ちょっとなぁ、と思った。

ただ、読みながら引っかかってもいた。口コミを書いているのは、入居している本人ではなく家族。面会に行ったときに見た場面を書いている。それが本当に正しいのかなぁと思った。

入ってみた今は、あの口コミの読み方が変わった

父が入って9ヶ月経つ。

今なら、こう思う。ご飯のあとに自分の部屋へ戻るのは、本人がそうしたがっているからかもしれない。職員さんは、行きたがっている人をわざわざ止めない。それを外から見れば、引きこもっているようにも、冷たいようにも見える。

予約は電話。自分の休みの日を先に決めて聞いた

見学の予約は、全部電話で取った。

先に自分が休みを取る日を決めて、「この日に見学に行けますか」と聞いた。向こうの都合に合わせて何度も休むのは難しかったから、日にちはこちらから言った。

その日に5ヶ所を回った。

見学で、私から聞いたことはほとんどなかった

パンフレットを見ながら、向こうが全部説明してくれた

どの施設でも、相談員さんがパンフレットを頭から順に説明してくれた。

費用のこと、入居の条件、医療の対応、面会のこと。こちらが聞こうと思っていたことは、聞く前に説明の中に出てきた。

施設の中も、ほとんど一通り見せてもらえた。居室、リビング、お風呂、廊下。

だから、質問リストを作り込んでいく必要は、私の場合はなかった。

私が見ていたのは、太陽の光だった

実家が光の入る家だった

いちばん気にしていたのが、部屋が明るいかどうか。それも照明ではなく、太陽の光が入るかどうか。

理由は、実家が光の入る家だったから。父はずっとその家で暮らしていた。だから明るいほうが嬉しいのかな、と思った。

なんとなく、そう思っただけ。チェックリストには載っていない。でも、父が今までどんな家に住んでいたかを知っているのは家族だけ。

リビングの様子、職員さん同士、頭を下げ返してくれた人

ほかに見ていたのは、施設の雰囲気。

リビングにいる人たちは、テレビを見ていた。私が頭を下げると、下げ返してくれる人もいた。

職員さん同士が話している場面は、見なかった。ただ、私の顔を見ると挨拶をしてくれた。

挨拶をしてくれない施設もあった

5ヶ所が5ヶ所とも良かったわけではない。

面倒くさそうに対応する施設もあった。廊下ですれ違っても、挨拶がない。同じ「特養」でも、雰囲気はこんなに違う。

最後に決め手になったのは、相談員さんと話したときの印象と、見学のときの介護士さんたちの挨拶と、施設の空気だった。

何人待ちかは、聞いても教えてもらえなかった

入居の順番と、何人待っているのか。聞いてはみた。

でも、はっきりと言ってくれないところが多かった。代わりに返ってきたのが「順番に、会議で優先度の高い方から入ってもらっています」という言葉。

特養に空きが出るということは、誰かが入院したか、亡くなったか。そういうことでしか順番は動かない。だから何人待ちという数字を聞いても、あまり意味がないのかなと思った。

落ちた理由は、2日後にかけ直して聞いた

見学した5ヶ所のうち、3ヶ所に申し込んだ。

そのうちの1ヶ所から電話があった。「特養が空いたので、会議にかけますね」。

数日後、また電話が来て「だめでした」と言われた。そのときは理由を聞けずに、そのまま切った。

でも2日ほど経って、どうしても気になった。なんでだめだったのか。もう一度こちらから電話をかけて、理由をはっきり聞いた。

住所が、その地域になかったから。地域密着型の施設で、その市町村に住民票がある人しか入れないところだった。申し込みのときには「入所が決まってから住所を移してくれればいい」と言われていた。

それを言おうかと思ったけれど、言っても時間の無駄かなと思って、「わかりました」と電話を切った。

地域密着型と広域型の違いは、介護施設の種類の記事に書いている。

断りの電話で、私が言ったこと

入居が決まったあと、申し込んでいた残りの2ヶ所には自分で電話をかけて断った。

言ったのは、「おかげさまで入れるようになりました。相談に乗っていただいて、ありがとうございました」。

相手の方は「よかったですね」と言ってくれた。

今、父の部屋には光が入る

ショートステイで最初に入ったのは、2階建ての1階の部屋だった。光が入らなくて、暗いなと思った。ここかぁ、と思ったのを覚えている。

そのあと同じ施設の特養に移った。2階の部屋だった。行ってみたら明るくて、ほっとした。

費用が分かったのは、見学に行ってパンフレットを見てから。探している段階では、どこがいくらなのか比べようがなかった。だから1ヶ所ずつ電話をかけて、休みの日に見学できるかを聞いていった。

今は【いい介護】のような老人ホームの検索サイトがある。条件で候補を絞って、資料請求や見学の申し込みまでそこからできる。電話をかける前に候補を並べられるところが、あの頃の自分にはなかった。

見学に行く前に質問を用意しなくても、たぶん大丈夫だと思う。向こうが説明してくれる。それより、自分の親がどんな家で暮らしてきたかを思い出していったほうが、見るところが決まる。

読んでもらえたら嬉しい。

この記事は、介護の流れの中の一場面です

うちが父の介護で通った順に、記事を並べ直したページがあります。今のご自分に近いところから読めます。

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