「カイゴコウガク」。通帳に、カタカナの振り込みがある。
これ、なんのお金?
数秒考えて、思い出した。そういえば——役所に、書類を出したな。
これは「高額介護サービス費」。介護費の一部が戻ってくる制度。要介護4の父が特養に入っているうちの場合、今年3月からの合計で約27,000円戻ってきた。やったことは、書類を1枚書いて窓口に出しただけ。
高額介護サービス費とは何か、いくら戻るのか、申請のやり方を、父の実例で書く。読み終わるころには、役所から届く「よくわからない封筒」の見方が変わるはず。
高額介護サービス費とは? 超えた分が戻ってくる制度
結論から。1ヶ月に払った介護保険の自己負担が「上限額」を超えたら、超えた分が戻ってくる制度。
介護保険のサービスは、収入に応じて1〜3割が自己負担になる。この自己負担には月ごとの上限が決まっていて、超えた分は後から口座に振り込まれる。
在宅でも施設でも対象になる。父は特養だけど、デイサービスやヘルパーなど在宅のサービスでも同じ。
ただし、対象は「介護サービスの自己負担」だけ。食費・部屋代・日用品代は対象外。そちらは別の制度(負担限度額認定)の担当になる。
いくら戻る? 父(要介護4・特養)のリアルな数字
父の場合、毎月5,000円〜9,000円。2026年3月に最初の振り込みがあって、これまでの合計はざっくり27,000円になる。
仕組みはこう。父の特養の請求のうち、介護サービスの自己負担(1割)は月3万円ほど。父は住民税非課税世帯なので、上限は月24,600円。差額の数千円が、毎月戻ってくる。
上限額は世帯の所得で決まる。
| 区分 | 上限額(月) |
|---|---|
| 課税所得690万円以上 | 140,100円(世帯) |
| 課税所得380万〜690万円未満 | 93,000円(世帯) |
| 住民税課税〜課税所得380万円未満 | 44,400円(世帯) |
| 世帯全員が住民税非課税 | 24,600円(世帯) |
| 非課税で年金収入など80万円以下 | 24,600円(世帯)/15,000円(個人) |
| 生活保護を受けている方など | 15,000円(個人) |
※金額は執筆時点のもの。正確にはお住まいの役所で確認してほしい。
月に数千円。小さく見えるかもしれない。でも年にすれば数万円で、しかも勝手に毎月続く。介護は長い。この「勝手に続く」が効く。
申請は一度だけ。父のときの実際の流れ
役所から封筒が届いた
特養に入って3ヶ月ほど経った今年の2月、役所から通知が届いた。高額介護サービス費の支給申請書。初めて上限を超えると、役所のほうから書類を送ってくれる(少なくとも、うちの市はそうだった)。
書類を書いて、窓口に出しただけ
申請書に振込先の口座などを書いて、窓口に持っていった。それだけ。翌月には最初の振り込み(2ヶ月分)があった。
大事なのはここ。申請は最初の一度だけでいい。翌月からは何もしなくても、上限を超えた月は自動で振り込まれ続ける。父の通帳では、今も毎月「カイゴコウガク」が続いている。
放置すると、2年で権利が消える
注意がひとつ。この申請には時効がある。サービスを利用した月の翌月から2年。封筒を「よくわからないから」と引き出しに入れたままにすると、戻るはずのお金が戻らなくなる。
私も、何の書類か分かっていなかった
かっこいい話ではないのだけど。
私は通知が来たとき、この制度をよく分かっていなかった。「もらえるものなら」と思って出した。結果的に戻ってきているのだから、間違いではなかった。
でも本当は、特養の相談員さんに封筒ごと見せて「これ何ですか」と聞けばよかったと思う。うちの相談員さんは費用のことをいつも気にかけてくれる人で、聞けば教えてくれた。ケアマネさんでも、役所の窓口でもいい。
役所からの封筒は、「手続きをすればお金が戻る」の合図のことがある。わからない封筒こそ、捨てる前に、詳しい人に見せてほしい。
まとめ:封筒が来たら、2年以内に一度だけ
- 介護保険の自己負担が月の上限を超えたら、超えた分が戻る
- 在宅も施設も対象。食費・部屋代は対象外
- 申請は最初の一度だけ。あとは自動。時効は2年
- 父の場合は毎月5,000〜9,000円、合計で約27,000円
介護のお金は、待っていても安くならない。でも、知って手続きすれば確実に軽くなるものがある。うちは、この制度と負担限度額認定で月の負担が目に見えて変わった。
負担限度額認定のほうは月55,000円安くなった話なので、封筒の次はこちらを読んでほしい。


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