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父の介護が本格的になったとき、「施設を探さなければ」と思いながら、何から調べればいいかまったくわからなかった。
うちは最初から、選択肢が限られていた
お金がなかった。有料老人ホームは月20〜30万円かかるところも多く、最初から選択肢には入らなかった。必然的に「公的施設」、つまり特養(特別養護老人ホーム)を目指すことになった。
ただ、特養は入りたくてもすぐには入れない。順番待ちが必要だった。
調べてわかった、施設ごとの違い
特養とショートステイの違い
特養は「長期入所」。ずっと住む場所。ショートステイは月単位で利用できる「短期入所」。
最初、ショートステイを「空いてる部屋に一時的に入れるもの」程度にしか思っていなかった。でも後から、ショートステイを上手に使うことが特養の待機期間を乗り越えるカギになると知った。
小規模多機能型居宅介護という選択肢
「通い」「泊まり」「訪問」を一つの施設で組み合わせて使えるのが小規模多機能。泊まりを使えば24時間対応もできるが、特養のように長期の住まいには向かない。
父の状態を考えると、在宅の限界が近づいていた。小規模多機能のロングステイでつなぐという選択肢もあったが、最終的には特養を目指すことにした。
特養には「広域型」と「地域密着型」がある
これも最初は知らなかった。
「広域型」は住民票がどこにあっても申し込める。「地域密着型」は原則、その施設がある市区町村に住民票がある人しか申し込めない。
私の家の近くの施設に入れたかったので、地域密着型を狙うなら父の住民票を私の家に移す必要があった。広域型は住民票を移動しなくても申し込めた。
結果的には広域型で入ることができたので、住民票の移動は必要なかった。ただ費用の面で、父と弟の世帯分離はしっかり行った。これが大きな意味を持つことになった(後述)。
費用の目安を知っておく
特養の費用は、部屋のタイプや収入、施設によって大きく変わる。有料老人ホームと比べると圧倒的に安いのは確かだが、正確な金額は各施設に問い合わせるのが確実。
ただ「費用を下げられる制度を使えるかどうか」が、施設選びと同じくらい重要だった。
特養の費用は「世帯分離」という手続きで下がることがある。うちは父と弟の世帯を分けて、負担限度額認定証が取れた。ただし施設によっては、申し込みの前に済ませておく必要がある。
手続きのやり方と、タイミングを間違えて一度落ちた話は、世帯分離で介護費用が月5.5万円下がったに書いた。
特養が空くまで、ショートステイで待った
特養に申し込んでからすぐ入れるわけじゃない。待機期間は施設によって数ヶ月から数年と幅がある。
うちの場合は、広域型の施設のショートステイに先に入ることができた。ショートステイで滞在しながら、複数の特養の順番待ちをした。
複数の施設に同時に申し込んでいい
特養は1施設に絞って申し込まないといけないわけじゃない。同時に複数の施設に申し込んでいい。先に空いたところに入れる、という考え方でいい。
うちも、広域型と地域密着型の複数の施設に申し込んでいた。地域密着型の審査で落ちて、その約1ヶ月後に、ショートステイで入っていた施設の特養が空いたと連絡が来た。
「家で待てない」という状況なら、ショートステイに入りながら特養を待つのは現実的な方法だと思う。
ただ、候補を複数持つには、自分の地域にどんな施設があるかを先に知らないといけない。老人ホームを地域や条件で探せるサイトがあると、あとから知った。【いい介護】もその一つ。特養だけでなく有料老人ホームやサ高住まで条件で絞り込めて、気になった施設の資料をまとめて取り寄せられる。![]()
申し込みは早いほど順番は前になる。動き出しが遅れるくらいなら、まず候補のリストを作るところから始めたほうがいい。
わからないまま調べて、わからないまま決めた
父が施設に入ることが決まったとき、正直ほっとした。でも、ほっとしている自分が申し訳なかった。
ちゃんとした娘なら、もっと家で面倒を見るべきだったんじゃないか。施設に預けることで、どこかで諦めたんじゃないか。そういう気持ちがずっとあった。
でも今は少し思う。在宅のまま続けていたとしても、たぶん別の後悔があった。
施設に入れて後悔するか、入れなくて後悔するか。どちらを選んでも、後悔はついてくる。それが介護というものだと、ようやく受け入れられるようになってきた。
振り返ると、施設探しで一番しんどかったのは「正解がわからないこと」だった。
どの施設が父にとって一番いいのか。費用はどのくらいなら無理がないか。世帯分離はいつやるべきか。どれも、答えが最初から用意されているわけじゃない。
わからないまま調べて、わからないまま決めた。「そのときできる限りのことをしよう」と思うしかなかった。
もしあなたも今、施設を探しながら途方に暮れているなら。正解を探そうとしなくていいと思う。その時点での最善を選べれば、それで十分だと思う。


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