デイサービスの連絡帳を前に、ペンが止まる。「何を書けばいいんだろう」「こんなこと書いていいのかな」——毎日のことなのに、誰も書き方を教えてくれないんですよね。
私は父の在宅介護をしていた約2年間、デイサービスの連絡帳をほぼ毎日書いていました。
先に言ってしまうと、私が書いていたのはたった4種類、分量は1〜2行です。それでもちゃんと役に立っていました。私が実際に書いていた内容を、そのまま書きます。
連絡帳に書いていたのは、この4つだけ
① お礼の一言
施設の職員さんは、その日の父の様子を毎回書いてきてくれます。まずはそれへのお返事。「いつもありがとうございます。」——これが基本でした。
② 体の様子(排泄のことなど)
「昨日、便が出ました」のような一言です。ちょっと書くのが恥ずかしい気もしますが、これがいちばん実用的な情報でした(理由はあとで書きます)。
③ 家で本人が言っていたこと
帰宅後、父に施設のことを聞くと、「こんなことを言ってました」と伝えていました。「体操が楽しかったと言っていました」みたいな一言です。
④ 持ち物のお願いへの返事
施設から「◯◯を持ってきてください」と書いてあった日は、「持たせました」と返す。それだけです。
書くことがない日は、「いつもありがとうございます。」の一行
毎日書いていると、何も書くことがない日が普通にあります。そういう日の私の連絡帳は、
「いつもありがとうございます。」
「お世話をおかけします。」
——これで終わり。そんな日がいっぱいありました。
でも、空欄では絶対に出しませんでした。誰かに決められたルールじゃありません。いつも父によくしてもらっている感謝を込めて、というのが半分。もう半分は、自分だったら、仕事で書いているとはいえ、何か返答があると嬉しいだろうなと思ったからです。
連絡帳の向こう側には、人がいるんですよね。
そのまま使える例文、5つ
コピペで使えるように、私が実際に書いていた型をそのまま置いておきます。
- いつもありがとうございます。
- お世話をおかけします。
- 昨日、便が出ました。
- 家で「体操が楽しかった」と言っていました。
- ◯◯(頼まれた物)、持たせました。
名前や内容を入れ替えて、そのまま使ってください。
たった1〜2行でも、ちゃんと届いていた
家での排泄メモは、施設の記録に残る
家での排泄のことを書くと、施設側で介護の観察記録に残してくれます。デイと家とで途切れがちな体の記録がつながる。②の一言には、そういう意味がありました。
家での一言が、翌朝の「会話の掴み」になっていた
これが、私が連絡帳を書いていていちばんよかったと思うことです。
父は、デイに行きたがらないほうでした。でも「家でこう言ってました」と連絡帳に書くと、職員さんによっては翌朝の迎えのとき、それを父との会話の掴みにしてくれるんです。父の気分を引き上げて連れ出してくれる。
夕方に書いた1行が、翌朝の父を少しラクにしていました。連絡帳は「昨日の報告」じゃなくて、明日の本人への小さな仕込みだったんだと思います。
そのうち、職員さんのほうも気がかりなことを書いてきてくれるようになりました。私が返事を書いていたからかどうかは、正直わかりません。でも、やりとりが少しずつ育っていく感じはありました。
書くのは夕方。1分で終わる
私は、父が帰ってきた日の夕方に書いていました。朝のバタバタの中で書かなくていいので、続けやすかったです。1〜2行なので、時間にすれば1分ほど。
「ちゃんと書かなきゃ」と気負わなくて大丈夫。空欄にしない、それだけで十分だと私は思います。
連絡帳は、提出物じゃなくて交換日記
書く側の話をしてきましたが、実は私、職員さんが書いてくれる連絡帳を読むのが密かな楽しみでした。その話は「デイサービスの連絡帳を読むのが、密かな楽しみになっていた。」に書いています。
在宅介護は、家族だけで抱えるには長すぎます。連絡帳は、いっしょに介護してくれる人たちとの交換日記。1行でいいから、続けてみてください。
もし今、介護そのものがしんどくなってきているなら、「在宅介護の限界サイン|自分が倒れる前に知っておきたいこと」も読んでみてほしいです。


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