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特養・老健・介護医療院の違い|父と義父で経験した私が選んだ理由

木の写真に白文字で「特養・老健・介護医療院 どう違う? 父と義父で経験して私が特養を選んだ理由」 施設選び・施設での暮らし

父は特養に入っています。そして義父は、施設を探すときに「介護医療院」をすすめられました。

でも私は、夫に「特養の方がいいんじゃない?順番を待ってでも」と伝えました。介護医療院の方が医療は手厚いのに、です。

「医療が手厚い施設をすすめられたのに、なぜあえて特養を選んだのか」。今日はその理由を、私が父と義父の二人で実際に経験したことをもとにお話しします。施設選びで迷っている方に、最後まで読んでもらえたらうれしいです。

まず結論:特養・老健・介護医療院をひとことで

細かい話の前に、3つの施設のちがいをざっくり一覧にしておきます。

施設ひとことで言うと主な対象入所できる期間
特養(特別養護老人ホーム)暮らす場所(終のすみか)原則・要介護3以上ずっと(終身利用OK)
老健(介護老人保健施設)家に帰るためのリハビリの場要介護1以上原則3〜6か月ごとに判定
介護医療院医療が必要な人が暮らす場医療が必要な要介護1以上ずっと(終身利用OK)

ざっくり言うと、特養と介護医療院は「ずっと暮らす場所」、老健は「家に帰るための一時的な場所」です。

では、それぞれを私の経験を交えて見ていきます。

特養はどんなところ?(父の場合)

父は今、特養で暮らしています。

特養に入るまでは、最初にショートステイ(短期のお泊まり)で入れてもらい、そこから1か月くらいで特養に移ることができました。「特養は何年も待つ」とよく聞いていたので、これは正直ラッキーだったと思います。

費用は、月10万円弱。食費や部屋代も全部込みでこのくらいでした(※施設や部屋のタイプによって変わります)。(特養の費用の中身は、パンフレットと実際の請求書を比べたこちらの記事に詳しく書いています)

特養の良さは、なんといっても「生活の場」だということ。リビングでみんなと一緒にごはんを食べたり、他の入居者さんや職員さんとのやりとりがあったり、横のつながりがあります。

見学のときに私が「ここがいいな」と思ったのは、実は建物そのものよりも、担当者の方の対応や、すれちがったときに挨拶してくれることでした。父のショートステイは1階で少し暗いなと感じたのですが、特養は2階で比較的明るくて、見た瞬間ちょっとホッとしたのを覚えています。

こういうのは、正直入ってみないとわからない部分も多いです。だからこそ、見学のときの「空気」みたいなものは、私はけっこう大事にしていました。

老健はどんなところ?(在宅復帰のための施設)

老健は、私自身は経験していないので、調べたことを正確にまとめます。

老健は「家に帰るためのリハビリをする施設」という位置づけです。医師や看護師に加えて、リハビリの専門職(理学療法士など)が常にいて、リハビリと医療的な管理をまとめて受けられます。

特養や介護医療院と大きく違うのは、ずっと住む場所ではないこと。原則として3〜6か月ごとに「家に帰れそうか」を判定し、大丈夫となれば退所をうながされます。

ポイント老健
目的在宅復帰(家に帰ること)
期間原則3〜6か月ごとに判定。長く住む前提ではない
特徴リハビリ専門職が常駐。医療管理もしっかり

「退院はしたけれど、すぐ家に帰るのは不安」というときに、リハビリをしながら体勢を整える——そんな中継ぎの施設、とイメージするとわかりやすいと思います。

介護医療院はどんなところ?(義父の見学で見たこと)

義父は、日常的に医療的なケアが必要な状態で、施設を探すときに介護医療院をすすめられました。実際に見学にも行きました。

介護医療院は、医療が必要な人が、終身で(ずっと)暮らせる施設です。看護師さんが何人も常駐していて、病院に近い安心感があります。要介護1〜5の方が対象とされていますが、見学のときの説明では「医療的なケアの必要度が高い方が優先になることもある」とのことでした。

見学して、正直すごいなと思いました。

  • 部屋はとてもきれい(新しくできたばかりでした)
  • 看護師さんがたくさんいて、安心感がある
  • 面会は24時間いつでもOK
  • 食べるものの制限もなく、1階にはカップ麺やお菓子の自販機まである
  • 面会に来た家族が、部屋で一緒に食事をしてもいい

入居者さんの生活のQOL(生活の質)を大事にしよう」という考えが、はっきり伝わってくる施設でした。これは本当に理想的だなと思いました。

【ここが本題】医療が手厚いのに、私が特養を選んだ理由

ここからが、いちばんお伝えしたかったところです。

これだけ良いと感じた介護医療院。でも私は、夫に「特養の方がいいんじゃないかな。順番を待ってでも」と伝えました。

理由は、介護医療院は基本的に、お部屋の中で一人で過ごす時間が長くなると感じたからです。

見学のとき、感染対策のため入居者さん同士の横のつながりはないと聞きました。そして「何か用事があればナースコールを押してくださいね」と言われました。看護師さんはとても親切で、ナースコールがなくても様子を見に来てくれるそうです。

でも私は、こう思ったんです。「ちょっとしたことだと、なかなかナースコールって押せないな」と。私自身が入居者だったら、たぶん遠慮して押せない。

24時間面会OKといっても、家族が毎日通えるわけではありません。看護師さんがいる安心感はある。でも、一人で部屋にいる時間が長くなる。それが、私はどうしても気になりました。

義父はまだ、ありがたいことに特養で対応してもらえる範囲の医療で過ごせています。だったら今は、リビングでみんなと一緒にごはんを食べて、横のつながりがある特養の方が、本人にとってはいいのではないか。そう考えたんです。

「医療の手厚さ」と「本人の暮らしの豊かさ(QOL)」。このふたつを天秤にかけて、今の義父には後者が大事だと判断しました。

いちばんの決め手は、「義母が歩いて通える」ことでした

そしてもうひとつ、私のなかで何より大きかったのが、距離です。

義父の特養は、義両親の家のすぐ近くにありました。義母は免許を返納しているので、車には乗れません。でもこの特養なら、義母が歩いて会いに行けるんです。

これは、本当に大きいことだと思いました。

施設に入ると、どうしても家族と会う回数は減ります。でも、歩いて行ける距離なら、義母は思い立ったときにふらっと顔を見に行ける。義父も、奥さんが日常的に会いに来てくれる。これって、さっき書いた「横のつながり」や「暮らしの豊かさ」と、まったく同じ話なんですよね。

どんなに設備が立派でも、家族が通いにくい場所だと、だんだん足が遠のいてしまう。逆に、近くて通いやすいだけで、本人も家族もずっと安心して過ごせる。私はそう感じています。

だから施設にも、「義母が免許を返納していて、歩いて通えることが大事なんです」と事情を伝えて、お願いしました。順番を待つつもりでいましたが、運よくすぐに空きが出て、入ることができました。これは本当にラッキーだったと思います。

どう選ぶ?迷ったら相談を

施設選びに「これが正解」というものはありません。要介護度、医療の必要度、そして何より本人の性格や、今の状態によって、合う施設は変わります。

医療が手厚いことは、もちろんありがたいこと。でも、うちの場合は、それが本人にとっていちばんの幸せとは限らないな——と、父と義父の二人を見てきて、今は感じています。

我が家はこう考えました、というだけの話です。あなたのご家族にとっての答えは、またちがうかもしれません。

施設選びは、家族だけで抱え込むととても大変です。見学に行ったり、専門の人に相談したりしながら、ご家族に合う場所を探してみてください。
「施設に入れるのは逃げなのかな」と悩んでいる方は、親を施設に入れる罪悪感の話もよかったら読んでみてください。

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